business
事業内容施主さんのご希望を伺いながら、英国式、地中海式などオリジナルなヨーロピアンガーデンを造園させて頂いております。全体の骨格となるスケルトンデザインとそれぞれの環境条件を考慮した植栽デザインを作成し、欧米の造園技法を取り入れた美しさと実用性の調和がとれた庭園を提供させて頂きます。
高齢者施設の庭園につきましても、高齢者のQOLを高める事を目的に、安全で 季節ごとの変化を感じる欧米のTherapeutical Horticulture(療法的園芸)の理念に基づき提案をさせて頂いております。
まずコンサルテーションとして訪問させて頂き お庭に関する様々なご相談もお受けしておりますので、お気軽にお声かけ下さい。
European garden
ヨーロピアンガーデン地理的、歴史的背景など様々な条件により多様なスタイルがあるヨーロピアンガーデンの定義を語る事は難しいものです。ただ例えば日本庭園では石庭などは勿論、風景庭園などでも石などのハードがまずメインになり、余計なものを省くミニマリズムを感じるのですが、ヨーロッパの庭園では全体構造は重視しつつも植栽のウエイトが大きく、建造物などのハード部分でも植栽と如何に融合させるかを考えて造られる事が多いと思います。 均整美のとれたフォーマルガーデンでも植栽メインで造形を造るパーテアなど、育つ時間はかかります。
18世紀以降の英国では自然回帰志向が特徴と言えるのではないかと思いますが、ナチュラルに見える庭園でも植栽計画やメンテナンスはきちんとされていて、コントロールされた自然と言えるのではないでしょうか。
ただヨーロッパにある庭園でも、宗教勢力の移動によりスペインなどで見られるイスラム様式庭園などは、ヨーロピアンガーデンとはまた違った性質を見せます。 イベリア半島の気候と相まって素晴らしい様式に基づくもので、是非ご紹介したい庭園スタイルのひとつです。
Islamic Gardens
イスラム様式の庭園地球温暖化で照り付ける太陽の下、私達が思いを馳せる庭があります。イスラムの庭園です。 あまり知られていないスタイルですが、精神性が高く、その穏やかさは禅の庭にも通じるものがあると感じます。 是非たくさんの方々に知って頂きたいスタイルです。
まず、一番素敵だと思う特徴は、建物やテラスのような回廊が取り囲む中庭として 造られており、その中央に位置する水の存在です。 またこれらはチャハルバーグと呼ばれる四分割庭園の構成を成していることが多く、木陰の存在も重要視されます。 こういった様式は、埃っぽく強い日差しのアラブ諸国に於いて生まれたものであり、外界をシャットアウトし、居心地よく過ごす事は生活の知恵でもあり、灌漑用水としての使い勝手を考え四分割が理想的だという実用面と、またそれ以上に、その洗練された空間構成は大変スピリチュアルなものと感じます。
形状としては整形式になるわけですが、ルネッサンス期のヨーロッパなどのように外に向けて誇示するような性質ではなく、内向きで、緊張を取り除き、人を観想へと導く空間となっています。 庭を精神とすると、建物が肉体であり、ポーチ(ターラール)は物質と精神の移行空間という考え方に基づいているようです。
建物は、ひさしを伸ばしたテラス部分を伴い、これは中庭を囲うように造られ、よく椅子やテーブルなどが置かれます。 暖かい日には外気を楽しみながらくつろいだり、親しい人とおしゃべりをして過ごすのには最適な場所です。
四分割された庭園は、均等な整形式庭園の形状をしており、中心に水場が設けられ、その上部は空へと開口されています。 この水場は、おだやかなバブル状の噴水を伴い、均整のとれた形状をしています。 水が溢れ落ち、もう一段下のところで、再度こぼれた水を受けるようになっているものが多く、その為水音は静かで、大変癒し効果の高く、また囲われている為安心感もあります。
植栽に関しては、イスラム様式の庭園では柑橘系など実のなる常緑樹を好んで使います。それぞれの現場状況によりますが、近年の地球温暖の影響もあり、日本に於いても、これらの植物を使える現場は多くなる可能性があります。常緑樹を使う事により、より涼しい木陰を提供するだけでなくしっかりした庭の骨格を造る事ができます イスラム様式の庭園とその建築様式を知るにつれ、その芸術性の高さには感動するものがあります。その特長を、日本の造園にも取り入れられればと思っております。
Garden for the elderly
高齢者向けガーデン高齢者住宅や施設の需要が拡大する中、私達は療法的園芸(Therapeutical Horticulture, TH)の考えに基づき、高齢者の心身的な特徴や病気にも対応できる庭をデザインしています。 美的な要素を大切にしつつ、出来る限り特別仕様の庭に見えないよう、快適な空間を提供させて頂きます。
THは、ガーデニングをリハビリなどの療法的な手段とする園芸療法(HT)とは違い、自然を感じることでくつろぐ事が出来る、つまりは受動的なものとしての工夫を大切にしています。
高齢者の方々の肉体的・精神的特徴を考慮し、動作能力や視覚の低下などから起こる不安や、高齢の方々に多い病気からくる不都合にも、出来る限り対応できるよう設計します。安全を第一に、外に出て植物を身近に楽しむ・庭のデッキで外気浴をする・コンサバトリ―などの屋内や部屋の窓から庭を眺めるなど、様々なステージにある方々がそれぞれ無理なく楽しんで頂ける工夫をします。またそれらが感覚の刺激となり、楽しみながらも療法的な効果を得ることを目指しています。
植物の色や香り、植物が風になびく様子、野鳥が訪れる植栽など、テーマ性を持たせることはその施設の魅力のひとつにもなります。さらに、自然と関わることで血圧が下がる効果があるとされています。庭で特別なアクティビティをする必要はなく、単に庭を眺めるだけでも効果があり、ストレスの軽減に繋がります。それにより、施設のスタッフの方々の負担も減り、また憩いの空間にもなります。同様に、庭がきっかけとなり友人ができたり、人間関係にも良い影響があります。以上のような事から、庭がある事でいろんな効果が得られ、施設での生活がより豊かなものになります。