[ガーデニングレッスン 6月号] 庭をより魅力的に・・お庭のデザインの仕方
みなさま、こんにちは。
日頃よりRegent Garden Design (リージェントガーデンデザイン)のホームページをご覧いただきありがとうございます。今月より、ガーデニングレッスンをブログに掲載させていただくことになりました。毎月掲載させていただく予定ですので、ご自身のお庭をレベルアップさせたい・庭づくりについての知識を増やしたいという方はぜひお読みいただければと思います。
今回は、あまり知られていないお庭のデザインテクニックを少しご紹介します。
イングリッシュガーデンと言うと、花の咲き乱れるコテージガーデンを思い浮かべる人が多いのではないかと思いますが、そこにたどり着くまでに、庭のスタイルも歴史的にいろいろな変化を遂げてきました。中世の頃の自給自足や瞑想の為の聖職者達の庭からチューダー王朝の頃の管理されたナチュラルガーデン、17世紀ヨーロピアンルネッサンスの頃に広がった整形式庭園、そしてそれに反発する18世紀の直線を排除した自然帰化の庭、19世紀、産業革命で庶民も庭を持てるようになり、憧れだった整形式を真似た庭。そしてファームハウスやコテージが注目されるようになり、今のコテージガーデンが誕生してきます。 これらの中からまだ様々なスタイルに分かれますが、どのスタイルに於いても共通して使えるデザイン的テクニックがあります。
今回は、それらの中から、今の庭をより魅力的に見せる方法を幾つかご紹介しましょう。
お客様が庭の入り口に立たれた時、目に入ってくるシーンがあります。 これを一枚の絵と見立て、ワンシーンつまり平面としての美しさを表現することがまずひとつ。 次に、その絵の中に入ってみたいと思わせる、つまり立体としての魅力を表現することです。
1.フォーカルポイントの効果
まず平面として見た場合、簡単にできる表現法のひとつとして、フォーカルポイント(焦点)を作ってみては如何でしょうか。 スーッと視線が集まるところです。 これにより絵にしまりができます。手っ取り早い方法としては置物などのオーナメントを利用するのも良いでしょう。 庭が整形式なら、日時計や彫像等を使うのも良いでしょうし、またインフォーマルなスタイルであれば少し大きめの鉢や石等も味があって面白いでしょう。 また、バードバス等を置いて野鳥などを集めるのは如何でしょうか? 但し、このフォーカルポイントはワンシーンにひとつとされることをおすすめします。2つも3つもあると逆に焦点がぼやけてしまうからです。
フォーカルポイントに限らず、オーナメントをいろいろと置き過ぎないこと、全体を通してハード面(敷石等)の素材もできれば3つ以内でおさえる等シンプルにまとめたほうが全体の調和がとれ、植物をより美しく見せることができます。
Ascott House Gardens, Buckinghamshire, UK
2.デザインによる人の動きのコントロール
次に庭を立体としてとらえ、どのようにすればこの絵の中に入ってみたいと思わせることができるのか考えてみましょう。入り口で全てを見せてしまうと平面的な評価で終わってしまいますが、視線の流れる先が隠れていたりすると、そこがどうなっているのか気になるものです。 つまり入り口で全てが見えない工夫をする。 例えば樹木などで隠すのも良いでしょう。 これはまた逆方向から見れば、部分的にプライバシーを確保することにもつながります。 実際に足を運ばせることに成功し、隠された所まで行ったとき、そこにアッと言わせるような趣向があれば大成功です。
ここで、さらなる演出効果の為に、人が歩くスピードをコントロールしてみましょう。 デザインにより、歩く速さをコントロールすることが可能です。 園路など細長くなればなるほど、通常、人は足早に歩きます。 それが正方形、或は円形に近づくほど動きが遅くなります。 この事を利用して庭に見せ場を作る場合、ゆっくり見てもらおうと思えば人の歩く速度が遅くなるスペースを設け、そこに造るとより効果的です。 さらに、そこにベンチ等座る場所があるとなお良いでしょう。
Rodmell Open Gardens, Sussex, UK
イギリスでは庭にテーマ性を持たせ、そのイメージに沿ったデザインをすることもよくあります。 また庭を外に出来たもうひとつの部屋として見た場合、さらなるオリジナリティーが広がるのではないでしょうか。
ご依頼があれば、岡山から他府県へもお伺いいたします。造園や庭づくりをご検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。
それでは、来月もまたお会いしましょう。
Good Luck with your efforts!!