[ガーデニングレッスン11月号]お庭づくりは四次元的なもの
みなさま、こんにちは。
日頃よりRegent Garden Design のホームページをご覧いただきありがとうございます。
今月は造園をするにあたっての考え方のお話です。
造園のデザインには大きくは二種類あります。
ひとつはお庭全体の骨格となるスケルトンデザイン、もうひとつは植栽デザインです。
この植栽デザインですが、どれだけ慎重に書かれたプランであっても、生き物である植物と向き合う時、100%デザイン通りに完璧になる事は正直ほぼ不可能です。
(これでデザイナーとガーデナーがぶつかることもよくあります・・・)
植物は、レンガなどのハードのように常に同じ形状ではなく、生長と共に形も変わります。
20本の同じ種類の植物を植えた場合でも、皆が同じように育つわけではありません。
植栽デザインではそれぞれの植物の生長予想サイズを調べ作成しますが、それぞれに個体差もある為、早く大きくなる子もいれば、ゆっくりと生長サイズに近づく子もいます。
ベストと考え選んだ場所でも様子を見ながら少し日陰を作ってあげたり、逆に日当たりを良くしたり、また他の植物との生存競争から守るなど、環境を少し変えてあげることで状態が変わることもあります。
育つのに要する時間を考えると、造園は4次元的なものだと言えるでしょう。
その為、ガーデナーに求められる大切な事のひとつは、待つことができる忍耐力です。
近年では、なんでも早さを求められがちで、インスタント的なものを求める事が多いですが、育つ時間がかかります。子育てと比べると分かりやすいかも知れません。
子供を育てる時には、幼稚園、小学校・・・と見守りますよね?
個人差もあり、早く大人になれとは言いませんよね? 植物も同じだと思っています。
加えてダイレクトな意見を発信しない植物であるからこそ、tender, love & careの精神が求められます。
ぜひ植物の育つ過程も楽しみながら庭と向き合ってみてください。 生長を待っている年月の間にあなたの植物の好みが変わり、新しい植物がお庭に加わっているかも知れません。過ちから学ぶこともあるでしょう。育てる過程を楽しんでいる間に、あなたの庭が美しく生長し、きっとより良いものとなっているはずです。
それでは、来月もまたお会いしましょう。
Good Luck with your efforts!!